• Sensus Japan
    株式会社 代表取締役社長
    中 敏行氏

    電力やガス、水道などの消費量を計測し、そのデータを基地局へ自動的に送信するスマートメーター。スマートメーター市場で世界的に大きなシェアを持つSensus社は、外国企業として果敢に日本への進出を果たし、公益事業で新たなビジネスの扉を開いた。その画期的な成功を牽引する鍵となったのは、特区への進出であった。

「東京のスマートシティ化に、世界に誇る広域無線通信技術で貢献したい」

世界の業務用ソフトウェア市場は成長し続けているが、多くの新しいアプリケーションは英語でのみ利用可能であり、ほとんどの日本企業及び日本のユーザーには活用されないままとなっている。同様に、日本の多くの大企業は海外で事業を幅広く展開しており、現地の事業パートナーや顧客、自社従業員のために、理想を言えば自社の業務用ソフトウェアを現地の言語で利用できるようにする必要がある。

これまで、ソフトウェアを他言語へ翻訳する際には、ソースコード(プログラミング言語で記述された文書のこと)の変更やデータベースファイルの修正が必要であり、相当な費用がかかっていた。一方、インドに本社を置くLinguaNext社のソリューションでは、ソフトウェアのソースコードには一切変更を加えずに言語変換が実行される。画面に出力される全てのテキストをリアルタイムで読み取り、各ソフトウェア用にカスタマイズされたインメモリのディクショナリー(コンピュータ内にインストールされた翻訳のための辞書機能)を通じ対象言語に変換して表示することで、このような言語変換が可能となる。これにより、クライアントはわずかな費用で多様な言語に変換されたソフトウェアやウェブサイトを使えるようになるという大きな利点がある。同社は、21もの言語が話されるインドにおいて多言語化ニーズを満たすことでこの技術を完成させた。

リングアネキストジャパン株式会社のCEOデイビッド・クラウチ氏は、同社が2つの方法で、日本企業をサポートできると語る。まずは、海外のプロバイダーから購入された日本語版が全くないソフトウェアを日本語に変換できるということ。さらに、日本のソフトウェア製品を海外市場の顧客でも利用可能とすることで、日本のソフトウェア開発企業と、それらの会社から提供されるソフトウェアを使用する日本企業両方のグローバルな事業展開を支援する。

同社は、日本の大手IT企業の多くが東京に拠点を置いていることから、ここに研究開発拠点を構える選択をした。英語をはじめとした外国語と日本語の間の双方向の大きな翻訳ニーズがあるため、「日本は、常に私達の優先順位の上位にあった」とクラウチ氏は語る。彼はまた、日本は「高度人材の宝庫だ」と説明する。

東京で働くうえで、利便性や安全性もさらなる利点になっているとクラウチ氏は見ている。彼によると、東京は「世界で最も優れた交通体系」を備えた、動きまわりやすい都市だという。また、2児の父親として、東京の犯罪率が低いおかげで、外国人でも家族の安全を心配することなく仕事に打ち込める、と身をもって証言する。

クラウチ氏は、東京の経済特区のひとつに拠点を構えることで得られる支援に感謝している。彼は「東京都が外国企業の進出を望んでいると知るだけでもとても心強い」と語る。東京都と手を組み、都が外国企業の発掘・誘致事業を委託するコンサルティング会社が力になってくれたことで、日本でのビジネス展開の道が開けた。そればかりか、有望な取引先との面談に担当者が同席してくれることさえあったとクラウチ氏は言う。「日本における潜在的パートナーと信頼関係を築く上で、このことは特に役に立ちました。」

さらに、コンサルティング会社が販売チャンネルを明確化してくれたことも大変有益だった。同時に、リングアネキストジャパンは、従業員雇用のために東京都が提供する補助金を活用する計画も立てているとクラウチ氏は語る。彼はまた、港区虎ノ門地区にリングアネキスト社を設立したのは、東京の中心部であり、かつ駅や取引先のオフィスに近いことが大きな要因だったと話す。

リングアネキストジャパンはまだ立ち上がったばかりだが、クラウチ氏は「業務用ソフトウェア・アプリケーションにおいては、日本企業に選ばれる多言語化プラットフォームになる」という目標の達成に向けて、日本での研究開発を進め、国内のビジネスパートナーとの連携をさらに拡大・深化させていくことを期待している。

(ノーアム・カッツ)

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